研究日記(H28.9)

30日(金)
・和歌山大学への通学路を歩いているときに、某市の新しい交通施策の案をはたと思いつき、急いでメモをして、研究室に到着するやパソコンで形にして担当者に送りました。私の場合、このように歩いているときにひらめくケースが多いです。

29日(木)
・本日よりUberの料理宅配サービス「ウーバーイーツ」が始まったそうです。「身分証明書の確認や審査を受けた個人」が自転車や原付で配達を請け負う、出前代行サービスとのこと。詳しい情報はこちらに載っています。個人が何かの用事のついでに料理を運んで収入を得ることができる時代が来たというわけです。電力の分野では、ビルの配管水流を活用したマイクロ水力発電が実用化されていますが、交通の分野でもこれまで活用されてこなかった交通流の利用が進むのでしょうか。

28日(水)
デザインがバリアになっている事例がツイートされています。

27日(火)
・昨日のガイダンスの導入部分で阿部教務委員長が「キャンパスで着物姿の学生を見かけました。いいですね!辻本先生も時々着られてますね!でも着物には欠点があります。それは高いことです」といったお話をされていました。同席していた私は即座に首を振りました。確かに一部の着物は極めて高価ですが、リサイクルショップなどへ行くとアンティークな美しい着物を数千円で手に入れることができ、こういう可愛らしいコーディネートを気軽に楽しむことができるのです。ポリエステルの洗える着物や、木綿の着物(これも自宅で洗えます)、アンティークな着物を安く手に入れて、普段着としてどんどん着ましょう。ポリエステルと言っても、東レのシルックという生地のものなどは絹のような上質の着心地です。男性の着物は特に難しい着付けも必要ありません。男のきもの大全という非常に詳しいサイトもありますから参考にしてください。

26日(月)
・本日は学部1、2、4年生対象とガイダンスと修学履修相談に出席しました。朝9時から夕方6時までかかりました。残念なことに、謡曲と仕舞のお稽古に間に合いませんでした。

25日(日)
・休みます。

24日(土)
・毎年恒例の「辻本ゼミナール卒業論文発表会・研究状況報告会」を平成29年2月21日(火曜日)の13時頃開始、17時頃終了のスケジュールで実施することになりました。新しくゼミに配属される2年生(新3年生)から大学院博士課程の3年生まで、B2、B3、B4、M1、M2、D1、D2、D3と8学年40人ほどが勢揃いする年に1度の機会です(Bは学部、Mは修士課程、Dは博士課程です)。発表会後には宴会があり、幹事は例年3年生にしてもらっています。

23日(金)
・大学院生の皆さんは、文献管理をどのようにしているでしょうか。私が使っているのはMendeleyです。無料なのに驚くほど使い勝手が良いです。ゼミナール等で読んだ文献は、要点を一太郎・ワードなどでまとめてからMendeleyに入れるようにしています。

22日(木)
・秋分の日です。欧州では毎年9月16〜22日に「ヨーロッパモビリティウィーク」が開催されており、今年のテーマは'Smart and sustainable mobility – an investment for Europe’となっています。賢く持続可能な交通は、明日のヨーロッパへの投資だというわけですね。そのモビリティーウィークの中心的なイベントが「カーフリーデー」で、一般的にはきょう9月22日に開催されます。日本にも「カーフリーデージャパン」という組織があり、その先導・支援のもとで仙台、さいたま、横浜、松本、福井、豊橋、大阪、京都、高松、那覇などの10数都市でモビリティウイークが開催されてきました。

21日(水)
・和歌山大学には「女性研究者研究支援経費」という制度があり、このたび募集が始まったのですが、この制度の名称は「産休・育休・介護休暇明けの研究者支援経費」に変更すべきです。研究において性別は関係ありません。性別に関係なく、出産・育児・介護の面でハンディを抱えた方を支援するよう名称と内容を改めるべきです。
・本日は科学研究費補助金の申請書を書いています。来週になると全学生対象のガイダンスと修学履修相談(月、火、金)、奈良県で社会連携活動(水)、教授会ほか学内会議(木)と続き、再来週からは講義が始まります。心静かに申請書を書けるのは本日とこの金曜日くらいしかありません。

20日(火)
・強い台風16号が直撃し、早朝から警報が出ています。9時現在で960hPaあり、目もはっきりしています。13時〜14時頃の最接近時には、目を取り巻く雲が腹に響くほどの重くて長い雷鳴を伴いながら通過していきました。被害が出ていませんように。
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19日(月)
・休みます。2日間でしまなみ海道を80kmほど走行しましたが、特に筋肉痛もありません。
・長らく愛用してきたdeuterのバッグのジッパーが破損したので、新調することにしました。自転車ツーキニスト用のバッグとして、しまなみ海道は最高の花道だったのではと思います

18日(日)
・引き続きしまなみ海道の調査です。学生たちは島々でポスティング方式のアンケート調査と、道の駅などでの聞き取り調査をこなしながら尾道まで走っています。

17日(土)
・ゼミナールの学部3年生と、しまなみ海道へ調査に行きます。2日かけて自転車で80kmを走ることになりますが、毎日少なくとも通勤で14kmほどは走っていますし、和歌山市中心部で用事のあるときは自宅−大学−中心部−大学−自宅と25kmほど走っていますので、無理な距離ではないと思っています。

16日(金)
・某市町村と、コンサルを交えて都市・地域総合交通戦略策定に関する会議をします。
・第二学期が近づいてきたため、学部ゼミナールの日程表をつくりました。4年生については、12月末に卒業論文の草稿を提出し、学生生活最後の年末年始はゆっくりして、その間に私が添削をし、松の内が明けた頃に添削結果が返ってきて、あとは1月末まで手直しをし、卒業論文を正式に提出して、2月中旬にゼミナールの報告会でプレゼンテーションをする、というのが毎年度のパターンとなっています。

15日(木)
平成27年国勢調査結果の公表予定について。この10月にようやく市区町村レベルまでの人口などの基本集計結果が発表されます(速報結果は既に出ています)。町丁・字別や地域メッシュ別の結果は、平成29年1月以降に順次出てくるものと予想されます。

14日(水)
・来年3月に施行される改正道路交通法で、認知症の診断が義務づけられる75歳以上のドライバーは推計年間約6.5万人(14日の読売新聞朝刊)。このような中では自家用車なしでも買い物、通院などに大きな支障が出ないような地域公共交通網の形成がますます重要な課題となってきます。その際、認知症の方にも優しい、「認知症バリアフリーな交通」という観点も大事になってくるでしょう。軽度な認知症の方に配慮した支払い方法、乗り換え方法、予約方法、路線図などの情報提示方法、アンケート等での意見の収集方法などはどうあるべきでしょうか。ある程度以上まで進行した認知症の方には介護タクシー等で個別に対応するほかなさそうですが。

13日(火)
・科研費の申請時期が近づいてきました。まだ応募書類も公表されていない段階ではありますが、申請書の下書きを少しずつ始めます。
・観世流の稽古では、謡曲に続き、仕舞でも「隅田川」が始まりました。さすがに「狂物」(能の演目は神・男・女・狂・鬼の5種類に大別されます。そのうちの狂)の難曲だけあって、感情の起伏が非常に激しく難儀しています。小林慶三師がおっしゃるには、「狂物」の主人公は「まだらぼけ」の状態だそうで、狂っているときもあれば覚めているときもあるとのこと。そこをよく謡い分けることが大事なのですが、節回しも難しい中、1回の稽古ではなかなかそこまでは。

12日(月)
・和歌山大学には、共同研究の助走期間を支援する制度があります。助走期間となる1年目には自治体や企業等側の負担がない、という制度です。「年度の途中でこんな行政課題が急に浮かび上がり、対応を迫られている。今年度は予算がないため本格的な検討は来年度に行うが、予備的な調査には今年度中に着手しておきたい」といったような場合に使えそうです。
・会議やゼミナールでの議論中に、タブレットやスマートフォンでインターネットから情報を集めて発言する人が増えてきました。関連する文献の提示や、正確なデータの紹介など、タブレットやスマートフォンが議論の質の向上に役立っている面もあるように思います。

11日(日)
・9月最終週に、経済学部・大学院経済学研究科の全学生を対象としたガイダンスが開催されます。学生生活関連では動画を用いた啓発を行う予定なので、法務省や警察庁が作成した啓発動画を中心に、これはというものを探しています。

10日(土)
・いよいよ広島カープの優勝が決まるか。お隣の今田先生もワクワクして待っていらっしゃることでしょう。和歌山大学では極めて数少ないカープファンの教員の研究室が偶然にも隣合っているのです。

9日(金)
・某市町村より、全域の公共交通体系を見直したいので受託研究に申し込みたいとのお話を頂きました。昨年度に受託研究を3件も受けた反動で、今年度はひと息ついていたのですが、そろそろ頑張りましょうかね。
学術系クラウディングファンドに「アカデミスト」があります。「インターネットを通じて不特定多数のサポーターから研究費を募ることができます」というサイトですが、大学院生の皆さんいかがでしょうか。

8日(木)
・某市町村より、コミュニティバスの再編に合わせて地域公共交通網形成計画を策定すべきかどうか、の問い合わせがありました。地域公共交通網形成計画策定の意義や具体的な策定手順等については、国土交通省の手引きに詳しく解説されています。また、平成28年7月発行の『運輸と経済』第76巻第7号(特集:地域における公共交通網のつくり方)も大変参考になります。
・さて今回の問合せの背景には、交通政策担当の職員数も限られている中で、財政的なメリットの小さい網形成計画の策定を、しんどい思いをしてまですべきなのか?これまで通りコミュニティバスだけ見ておけば良いではないかという意識があるのだと思いますが、「高齢化・人口減少時代における持続可能な地域づくりと交通政策の役割の大きさ」をまず認識しておく必要があります。高齢化・人口減少が進む中で「暮らしの足」を確保し定住環境を整えることや、マイカーの過剰な利用を抑制して地球環境に優しいまち・健康的なまちをつくること、厳しい経営環境にある交通事業の持続可能性を高める方策を住民や事業者と行政が一緒になって考えていくこと、などなど、今後市町村の交通政策の重要性はさらに一層高まるものと考えられます。そのような重要な政策を、マスタープラン(=地域公共交通網形成計画)もないまま、これまで通り、場当たり的に展開してゆくというのでしょうか?交通政策には、しんどくても、財政的なメリットが少なくても計画的に実施していくだけの重要性があります。
・市町村全域(あるいは隣接する市町村も含めた生活圏全域)の交通体系をどうしていくかといった総合交通ネットワークの観点や、福祉、健康、教育、まちづくりといった関連政策分野とどう連携してよりよいまちをつくっていくかという政策横断(クロスセクター)の観点、そして目標を定めていかに戦略的に施策を展開するかと言った計画性の観点、さらには住民・各交通事業者・行政の役割分担や連携の観点が、これからの市町村の交通政策では非常に重要となってきます。地域公共交通網形成計画の策定に伴い、市町村の事務作業量は一時的にしろ増加するでしょう。しかし、計画を策定することによって進むべき道がみえ、いつ何をすれば良いか、何にどれだけ力を入れれば良いか、誰と連携して取り組めば良いか、などが見え、計画書にしておけば後任者への引き継ぎもしやすくなるわけですので、結果として中長期的な事務作業の効率化につながるのではないでしょうか。また、そもそもこれからの時代に交通政策関係の事務作業量が増えるのは当然のこととも言え、だからこそ計画的に進めて行く必要があるとも言えます。
・以上、日記なのでまとまりはあまりありません。

7日(水)
・近畿運輸局さん、近畿地方整備局さん、和歌山市地域安全課さんのご協力で、和歌山市内の特定道路路外駐車場・主要信号機のバリアフリー化の状況や、交通安全運動等の実施状況に関するデータが集まってきました。特定道路は市内にはまだないそうです。鉄道事業者ごとの車両のバリアフリー化状況については、非公開となっているそうですので、交通新聞社が市販している編成表などを使って確認するしかなさそうです。

6日(火)
・今週行われた某自治体の長期総合計画審議会は、委員から意見が出るわ出るわの盛会となりました。シャンシャンとした会よりはよっぽど健全だと思うのですが、進行には苦労いたしました。今後10年間のまちづくりの最上位計画を策定するのですから、各地区や各産業の現場の実情・課題をよくよく踏まえた実効性の高い計画を少し予定よりも時間をかけてでも丁寧に策定できればと考えています。

5日(月)
・観世流の仕舞「東北クセ」の稽古が完了し、次は「隅田川」に進みます。

4日(日)
・完全に休みます。

3日(土)
・学部4年生が卒業論文執筆に向けて那智勝浦町などでポスティングによるアンケート調査を敢行しており、数日前から返信封筒が大量に届き始めました。自由記述の分析をなおざりにしてしまうケースがよくあるのですが、自由記述には回答者の思いが詰まっていますのでぜひ丁寧に分析してください。

2日(金)
・9月の17、18にしまなみ海道で学部3年生のゼミ合宿があります。今治と尾道の中間にある大三島を宿泊地としていますが、秋の3連休でサイクリストが多いためか、空室ありの宿は1つだけでした。最後に残されたその1つに泊まるのも結構勇気がいりますね。なぜ最後まで残っていたのでしょうね。
・和歌山市のバス車両、鉄道車両、旅客施設、特定道路等のバリアフリー化の状況について、和歌山運輸支局さん、近畿運輸局消費者行政・情報課さんにデータの提供を頂くことができました。大変お手数をおかけいたしました。
・来年和歌山大学で開催予定の学会の件で、学会幹部にメールを送ったところ、返信の素早いこと!出世する人ほどメールの返信が早いと聞きますが、さすがだと思いました。ちなみに私の返信は割と遅いほうです。

1日(木)
・経済学部にて、平成28年度第3回の和歌山都市圏総合交通計画研究会が開催され、交通計画の基本方針2(誰もがお出かけしやすい、安心・安全・快適な交通体系)、基本方針3(少子高齢化と人口減少の荒波に立ち向かう交通体系)に関する議論が行われました。和歌山県、和歌山社会経済研究所、南海電鉄、観光学部、経済学部から12名の参加がありました。この研究会には辻本ゼミナールの大学院生も複数参加しており、本学側から見れば「学内外機関と連携した実践的研究の場」としても機能しています。