1.住民参加型・相互扶助型の新しい生活公共交通ネットワークに関する研究
 平成18年度は、引き続き、和歌山県内で福祉有償運送や過疎地有償運送に関する調 査研究と関連団体のサポートに取り組むとともに、土木学会生活交通サービス研究小 委員会委員として日本版地域交通マスタープランの作成や、要求されるサービス水準 の効率的実現法、公共交通需要の掘り起こし策などについて検討を進めます。
福祉有償運送とは?
過疎地有償運送とは?

2.モビリティ・マネジメントを用いた公共交通の活性化
 モビリティ・マネジメント(MM)は、自動車利用から公共交通・自転車・徒歩利用 への自発的な転換を促すコミュニケーションを中心とした新しい取り組みのことで す。平成18年度は、和歌山都市圏の市民団体(WCAN交通まちづくり分科会) ・経済団体・国交省・県・市町と交通事業者で構成される「和歌山21世紀型交通 まちづくり協議会」を設置し、MMの社会実験を行い、結果を日本交通学会ない し土木学会で研究報告します(国交省「公共交通活性化総合プログラム」に採択され ました)。
21世紀型交通まちづくりとは?

3.国際航空・海運ネットワークの変容と空港・港湾背後地域の活性化
 (財)関西空港調査会の航空交通研究会(榊原会長)に所属しています。  平成17年度から土木学会の国際交通ネットワーク戦略研究小委員会 委員を務めており、同委員会ではデータベースワーキンググループ(幹事)と流動 予測ワーキンググループを中心に活動しています。平成18年度には、ATRS(Air Transport Research Society)での研究報告を予定しているほか、「和歌山港 物流活性化研究会」の会長として地方コンテナ港湾の活性化に関する研究を引き続き 進めていきます。

4.地方鉄道存続の新しいビジネスモデル
 わが国では鉄道旅客輸送の営業廃止が相次いでおり、事業者の経営努力だけに頼っ た従来型の鉄道維持モデルが困難になりつつあります。今後は行政や地域住民の積極 的な支援を前提とした新たなビジネスモデルが求められます。平成18年度には、和歌 山電鐵貴志川線を事例として、鉄軌道の社会的価値計測手法の一つである費用対 効果分析に関する研究をさらに進めます。また、事業者組織内に置かれる貴志川線運 営委員会(県、市や地域住民らで構成)の動向を丹念に追いながら、地方鉄道運営へ の住民参加のあり方に関する知見を蓄積して行きます。

辻本勝久編著・WCAN貴志川線分科会著『貴志川線存続に向けた市民報告書 −費用対効果分析と再生プラン− 』(注)2MBあります

WCAN貴志川線分科会が取りまとめ、貴志川線の未来をつくる会の連名を頂いて岡山 電気軌道社長宛に送った通称”ラブレター”

5.その他
 防災交通・防災物流に関する研究や、観光交通計画に関する研究、コンパクトシテ ィに関する研究も進めています。
航空 空港 貴志川線 伊賀線 和歌山電鐵 わかやま電鐵 WCAN 和歌山 和歌山市民アクティブネットワーク 交通まちづくり分科会 貴志川線運営委員