研究日記(H29.6)

26日(月)
・本日と来週の学部講義「交通システム論」では地方都市の公共交通幹線としての鉄軌道を扱います。持続可能なまちづくりの切り札として各地で導入や検討が進んでいるLRT、BRTも扱うので、15回の講義の中で最も夢のある回とも言えます。和歌山市の現行の長期総合計画(まちづくりの最上位計画)にも「新交通システムを含めた集約型のまちづ くりにふさわしい公共交通体系について、長期的観点から研究を行います」とあり、新交通システムとは「低床式車両による軌道や、バスを基盤とした中量輸送など環境に配慮した交通システム」であると明記されています。
・広島時代には広島電鉄千田営業所で11年間もお世話になり、連接車(3000形、3950形、ごくごく稀に3800形、3900形)の後部正車掌も担当していたのですが、LRT型の超低床車(5000形、5100形等)の千田配置前に辞めて和歌山へ来てしまったのが非常に心残りです。

25日(日)
・休みました。

24日(土)
・システム工学部の中嶋先生のグループがパーソナルモビリティとその活用の研究をされており、経済学部や観光学部等との連携を考えていらっしゃると聞いて、研究プロジェクトに参加させて頂くことにしました。

23日(金)
・来週金曜日の和歌山都市圏総合交通計画研究会の準備をしました。8月までに報告書を取りまとめ、9月半ばまでに印刷製本、10月7日のシンポジウムでお披露目というスケジュールになるでしょう。

22日(木)
・某市より「新しい交通システムを導入した場合のシミュレーションをして欲しいのですが・・・予算はありません」。興味深い話なのですが、先日の土木計画学研究発表会のあるスペシャルセッションでも「大学に頼めばコンサルよりも安くていい成果が得られる、との捉え方があり、問題だ」「そういう話を受けるのは学術研究上のメリットがある場合に限定すべきだ」といった議論があったばかりです。ということで、「シミュレーションの結果を論文にしてもいいなら受けます」との回答が正解だろうと思います。

21日(水)
・形式上は18日の代休でした。

20日(火)
・和歌山駅〜紀伊勝浦駅〜那智駅〜(路線バス乗車)〜那智山バス停ほか〜新宮駅〜熊野交通本社〜権現前バス停〜国道168号沿線(神丸、日足、志古、請川の各バス停)〜和歌山駅の行程で1日かけて外国人観光客受入環境の状況を見て回りました。写真左は「あそこに行きたいのだけれど、どこを見れば・・・???」状態のバス停の一例です(請川バス停で撮影)。このような日本人にも難解な箇所が多数あります。写真右は、立派な駅前広場があるにもかかわらずバス停が分散しており、多国語表記も不十分な例で、親切などなたかがマジックでアルファベットの案内を書き添えてくださっています(那智駅バス停で撮影)。
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19日(月)
・先日の学部内の会議で、ハラスメントに関する議論がありました。文系学部そのものがハラスメントを受けているのではないか、という議論だったのですが、その当否はさておいてハラスメントとはデジタル大辞泉によると「嫌がらせ。いじめ。英語では、苦しめること、悩ませること、迷惑の意」。社会人の教科書というサイトによると、ハラスメントの種類は全32にも上るそうです。十二分に気をつけたいとは思いますが、何を迷惑や嫌がらせと感じるかは人それぞれなので、非常に対応が難しいのも事実です。ここ最近で私自身が仕事上で嫌だと感じたのは、頭越しに仕事が回っていたり、職位に応じた席次になっていなかったり、毎回のように遅刻で待たされたり、、、ですね。そういうのを何とも感じない人もいるのでしょうが・・・・・・。

18日(日)
・交通まちづくり調査研究の一環で、紀州鉄道と沿線へヒアリング+視察に行きました。以前の視察で御坊市寺内町の和洋菓子に魅力ありとの結果を得ていましたが、今回の視察で「幸せくるる御坊のお菓子」というキャンペーンが行われていることを知りました。襲色目を意識したのであろう和の色合いのポスターもなかなかお洒落です。紀伊御坊駅に留置されている旧型車両を活用したカフェの構想もあるとのことでした。
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17日(土)
・午後は休みました。

16日(金)
・田辺市で「熊野外国人観光客交通対策推進協議会幹事会」の初会合があり、座長に就任しました。幹事会の終了後に、紀伊田辺駅から本宮大社までの主なバス停の状況や、営業運転中の路線バス車内の状況を視察して回りました。20日(火)には那智勝浦町内や新宮市内を見て回ります。数々の温泉やマグロ料理を素通りして日帰りするのはもったいないのですが、仕事ですので致し方ありません。

15日(木)
・今年度も恒例の「教員活動状況評価」を提出する時期になってきました。教育、研究、社会活動、管理運営の4側面からの評価書類を作成するのは面倒なのですが、ここ3年程度の業績を振り返るよい機会になっています。

14日(水)
・県下初の地域公共交通網形成計画が動き始めた橋本市で、今年度第1回の生活交通ネットワーク協議会幹事会がありました。この協議会は、活性化再生法に基づく協議会としての役割と、道路運送法に基づく地域交通会議の役割を兼ね備えた会です。

13日(火)
・3年生のゼミでは学外調査の企画が熱を帯びてきました。今年度は9月末頃に南紀白浜空港の活性化を目的とした調査を行う方向となっています。

12日(月)
・稽古中の観世流仕舞「玉鬘」、苦戦中です。型が多くて覚えきれません。

11日(日)
・引き続き愛媛大学で開催の第55回土木計画学研究発表会に参加し、朝一番のスペシャルセッション「地域における鉄道の存在意義は?〜JR北海道の路線存廃問題を考える〜」に登壇しました(他の登壇者は北海道大学の岸先生、名古屋大学の加藤先生、流通経済大学の板谷先生、大分大学の大井先生)。ホットな話題ということもあって立ち見が出るくらいの盛況で、先生方の話題提供にも熱が入ってしまって少々時間オーバー気味となりました。私は和歌山電鐵(用地分離型上下分離)と伊賀鉄道(民有民営型上下分離から民・公有民営型上下分離へ移行)の事例を紹介しながら、存廃問題が浮上した鉄道への対応のイメージや、鉄道として維持することの「意味」、鉄道維持の客観的な「意味」の捉え方、各種の上下分離等と主な事例等について話題提供をしました。

10日(土)
・愛媛大学で開催の第55回土木計画学研究発表会に参加しました。名古屋大学の加藤博和先生が会長、香川高専の宮崎耕輔先生が事務局長をされている「地域のおでかけ交通のあり方研究会」にお誘いを頂きました。「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム」が今年は10月28、29に東洋大学で開催されるそうで、これにもお誘いを頂きました。

9日(金)
・観光庁「訪日外国人消費動向調査(平成28年度)」によると、訪日客が次回実施したい活動は1位 日本食 2位 自然・景勝地観光 3位 ショッピング 4位 温泉  5位 四季の体感  6位 繁華街の街歩き です。自然・景勝地観光は平成27年度調査でも3位でした。自然豊かで景色も美しく四季も体感しやすい地方部へ誘客することで日本観光の満足度はさらに向上するでしょう。そのための観光交通システムの充実を急がなければなりません。

8日(木)
・本日より「発展演習」が始まりました。

7日(水)
・第66回全日本大学野球選手権大会に初出場の和歌山大学硬式野球部を応援しましょう。岡山商科大学戦は4-1、近畿連盟1位だけあってさすがに強いです。

6日(火)
・フランスの国家予算に占める文化予算は1.2%(2016年度)、日本は0.11%(2015年度)だそうです(出典:ヴァンソン藤井由実・宇都宮浄人(2016)『フランスの地方都市にはなぜシャッター通りがないのか 交通・商業・都市政策を読み解く』p.124)。「都市イメージとブランドの構築には、まちなかでのクオリティの高い文化やスポーツイベントが必要という共通認識がある。・・・都市文化は音楽・演劇・美術だけでなく、スポーツ・NPO活動なども含めた広義の意味で・・・その多様性とレジャー可能度が都市の魅力度を判断する際の大きな要素になる。・・・フランスの地方都市が賑わっているのは、地方都市の文化が充実しているからだ」(同p.125)

5日(月)
・近畿運輸局に地域公共交通の確保・維持・改善に関する参考データ等があり、役に立っています。が、乗合バス事業の収支状況について、のリンクが平成25年度版になっているなど(最新版は平成27年度版ですのに)しているので、更新の頻度を少し高めて頂けるとありがたいのですが。

4日(日)
・休みました。

3日(土)
・国土交通省近畿運輸局と連携して実施している「鉄道・地域活性化プロジェクト」の一環で、学部生・院生と和歌山電鐵へ調査に行きます。このプロジェクトは、本学では学部講義「交通まちづくり調査研究」としています。

2日(金)
・北海道運輸交通審議会のワーキングチームが将来を見据えた北海道の鉄道網の あり方について 〜地域創生を支える持続可能な 北海道型鉄道ネットワークの確立に向けて〜を公表しています。
・その中で、まず道内の鉄道網を 1 札幌圏と中核都市等をつなぐ路線、2 広域観光ルートを形成する路線、3 国境周辺地域や北方領土隣接地域の路線、4 広域物流ルートを形成する路線、5 地域の生活を支える路線、6 札幌市を中心とする都市圏の路線 の6つに分類し、それぞれについて方向性を検討しています。
・続いて、JR北海道の持続可能な経営構造の確立策として、
1 国による抜本的な支援 (その1) 本道固有のコスト軽減対策 ○貨物列車の割合が高い本道の輸送体系の実態を踏まえた支援 ○青函トンネルの維持管理に係る負担の軽減 (その2) 老朽土木構造物等対策 ○鉄道施設等の老朽更新対策 (その3)増収策への支援 (その4)資金繰りの改善、 
2 JR北海道の提案 (その1)経費節減、運賃値上げ、利用促進 (その2)上下分離方式、 
3 地域の実情や線区の特性を踏まえた方策 ○駅の魅力・利便性の維持・向上  ○快適な車内環境の創出  ○住民による日常的な利用の促進 ○観光施策と連携した鉄道利用の促進  ○第3セクター等による車両の保有・貸付 の順に整理しています。
・続いて、 公共交通ネットワークと鉄道網 で高速道路網やバス、航空ネットワークといった他の交通モードとの連携、補完、代替などの役割分担の方向性を示し、  今後に向けて 〜確かな信頼関係に基づく「協働」の取組を〜 と、 北海道の役割 が今後に向けたまとめの部分となっています。

1日(木)
・研究室の図書・資料の電子化と全文検索システムの構築がかなり進んできたので、6月11日の土木計画学研究発表会の準備を手始めに、いよいよ本格運用を開始しました。試しに’JR北海道’で検索すると100件くらいの図書等がヒットし、そこから絞り込むことで、例えば梅原(2012)『なぜ風が吹くと電車は止まるのか』の101ページに「浪害の進行の勢いはすさまじい。たとえば、JR北海道日高線の厚賀節婦間では8年(中略)で海岸線が100メートルも後退するほどの浪害に見舞われた」とあるのを見つけたり、『運輸と経済』第63巻第3号の菅「上下分離はヨーロッパ鉄道を救えるか」の2ページに「現在のJR全体の平均旅客密度は3万4,000人ほどあるが,英,独,仏など欧州主要鉄道のそれは5,000人前後,ほぼJR北海道の水準で,スウェーデンの場合は1,700人くらいしかない。(中略)だから欧州諸国の鉄道が上下分離に向かうことは,自然の流れとして理解できる。」とあるのを見つけたりできます。この全文検索システムの威力を存分に発揮して、研究の水準を高めることができればいいのですが。
・大阪府岬町との打ち合わせのあと、「熊野地域における外国人観光客の二次交通対策実証事業」の打ち合わせがありました。