研究日記(H29.8)

31日(木)
・高等学校から出前講義の依頼が来ました。

30日(水)
・和歌山都市圏総合交通計画研究会が開催されます。本日は報告書(仮題『持続可能なまちづくりのための和歌山市総合交通計画』)の原稿が集まることになっています。私も今朝3時には出勤して担当部分の仕上げを行いました。院生の皆さんにも国内の事例紹介や、BRT導入案、市の公共交通の現状などの部分を執筆していただきましたが、よく頑張ってくださっています。やはり学生は少し高めのハードルを与えて任せると伸びますね。
・和歌山徳島航路活性化協議会に出席しました。現状、同航路のトラック輸送量は減少傾向にありますが、ネット通販の拡大などによる物流量の拡大、トラック運送業の人手不足、高齢化、労働環境改善(非常に長い労働時間を短縮する動き等)といった大きな動きをうまく捉えて、フェリーの振興につなげることが今後の重要な課題となりそうです。また、船の置き換え(リプレース)時期も迫っているようですが、リプレースにあたってはどの機能を重点的に強化するのか、協議会で知恵を絞る必要がありそうです。

29日(火)
・今朝の読売新聞には、和歌山市の将来性ある製造業、アグリビジネスの話題が掲載されていました。ひとつはファイントレーディングジャパンによる、自転車のような見た目の電動バイク。これはペダル をこいで走ることもできるもので、折り畳んで自動車や列車にも搭載でき、クラウドファンディングで1億2600万円を集めたとのことです。「和歌山を代表する産業に」の夢の実現を応援したいと思います。もうひとつは農業総合研究所による、新鮮野菜をスピード輸出の取り組み。これは同研究所が集荷から輸送、販売まで一手に引き受けることで時間と手間と手数料を省く取り組みで、既に香港に4店舗が展開されており、将来的には100店舗を構想とのこと。「田舎町のトマトが海外で人気だなんて、これからの農業の希望だ」という、かつらぎ町の農家さんのコメントが印象的でした。

28日(月)
和歌山市の都市計画道路の整備状況については道路政策課に資料があります。こちらに整備状況図がありますが、事業中のもの(整備状況図の黄色い線)として松島本渡線、南港山東線、西脇山口線、市駅和佐線、今福神前線、嘉家作府中線、北島湊線があり、これらが今後続々と完成してきます。和歌山市の人口が平成27年の36.4万人から平成47年には29.8万人へと減少(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」する中、市内の一部の主要道路では交通量が分散・減少し、道路空間に余剰が発生する可能性があります。そこをどう活かすかが重要課題になってきます。観光学部の永瀬先生などが中心になって取り組まれている市駅前のグリーングリーンプロジェクト等は、新たな道路空間活用策を示すものとして興味深いです。GGプロジェクトは「ヨーロッパモビリティウィーク&カーフリーデー和歌山(仮称)」として発展させられないものでしょうか。
・国の交通政策基本計画に、バス車両のバリアフリー化の目標として、平成32年度までにノンステップバス化率を70%に、リフト付バス等化率を25%にとあります。ここに言うノンステップバス化率は、ノンステップバスの車両数を、ノンステップ化の対象車両数(総車両数から公共交通移動等円滑化基準の適用を除外される車両数)で除して100をかけることで算出されます。また、「リフト付バス等」とは、リフトまたはスロープ板を備えた車両であり、リフト付バス等化率は、リフトまたはスロープ板を備えた車両数を、バス公共交通移動等円滑化基準の適用を除外される車両数で除して100をかけることで算出されます。以上、運輸支局さんに頂いたエクセルの数式より。

27日(日)
・道路関係のバリアフリー化の状況に関する資料の所在について。市町村別の特定道路の一覧(和歌山県内では橋本市に指定延長1.2kmがあるのみ)、特定路外駐車場のバリアフリー化の状況(自動車駐車場年報の調査結果を参照のこと。平成27年版では117-118ページに掲載あり。都道府県別のデータ)。信号機等のバリアフリー化率は県警交通対策課に問い合わせる必要があります。

26日(土)
・昨日、法定協議会である和歌山市公共交通政策推進協議会が開催されました。尾花市長が初めて出席され、LRT構想に関することを中心に説明をしてくださり、LRT実現への決意の強さを感じました。LRTは、多核型のコンパクトシティ化や、観光振興、誰もがおでかけしやすいまちづくりを支える新しい公共交通幹線軸として、既存鉄道網との相互乗り入れ(トラムトレイン化)も視野に入れながら長期的な構想の中で推進すべきものであろうかと思います。既存の路線バス等と競合するもの、という後ろ向きな捉え方ではなく、既存の公共交通幹線軸をバージョンアップする構想であり、和歌山市の活力や公共交通の活力全体を底上げする可能性を秘めた構想でもある、という前向きな捉え方のもと、オール和歌山で取り組む状況に持って行けないものでしょうか。それにしても10年前には夢のまた夢のような話であったことが、よくここまで来たものです。私が退職する20年後にはどうなっているでしょうか。

25日(金)
・和歌山県内で、交通エコロジー・モビリティ財団の「エコ通勤優良事業所認証制度」の登録を受けているのは和歌山市役所だけであり、その期限切れが8月30日に迫っています。全国的に登録が進んでいる府県等とそうでない府県等の差が激しく、例えば近畿地方では滋賀県下には47もの登録事業所があります。四国の愛媛県では「愛媛マルゴト自転車道」政策との絡みもあってか、県庁、松山市役所、JR四国、東レ、テレビ局のほか愛媛銀行・伊予銀行のおそらく全支店が登録されるなど100を優に超える登録事業所があります。

24日(木)
・10月7-8に和歌山市で開催される日本交通学会研究報告会のプログラムの概要がこちらに掲載されています。

23日(水)
・国土交通省本省に出張しました。

22日(火)
・仕舞「玉鬘」の稽古が終わり、舞事の基本とされる「中ノ舞」の稽古を始めました。

21日(月)
・某市と計画策定の打ち合わせをしました。あえて困難な道を進もうという積極的な姿勢に共感して、データ処理での助力を申し出ました。

20日(日)
・休みました。庭に南方熊楠が愛したというセンダンの樹があります。思い出深い広島大学東千田キャンパスで種を拾ったのを育てているのですが、大木になってきたので太い枝までバッサリと剪定しました。樹勢が強いのでまず大丈夫でしょう。

19日(土)
・人口密度をメッシュで表示する場合、その閾値(何人を境に色分けするか)や色使いはどのようになされているのでしょうか。基準のようなものはあるのでしょうか?ここ1〜2年に策定された3つの立地適正化計画を見てみました。
和歌山市の立地適正化計画ではha(1万)あたり0人(白色)、20人未満(薄青色)、20〜40人未満(黄色)、40〜59人未満(オレンジ)、60人以上(赤色)の5段階となっています。
熊本市の立地適正化計画ではha(1万)あたり0人(白色)、〜20人(薄青色)、〜39人(薄緑色)、〜59人(黄色)、〜79人(オレンジ)、80人以上(赤色)の6段階となっています。
岐阜市の立地適正化計画ではha(1万)あたり20人未満(白色)、20〜40人未満(薄青色)、40〜60人未満(薄緑色)、60〜80人未満(黄色)、80〜100人未満(オレンジ)、100人以上(赤色)の6段階となっています。
・閾値を20人ごととして、1haあたりで表示する点は共通していますが、最上位を60人以上とする和歌山市、80人以上とする熊本市、100人以上とする岐阜市で対応が分かれています。岐阜市は人口ゼロのメッシュを区分しない点が特殊です。色使いは3市とも数字が大きくなるに従って白から寒色、暖色へとされています。
・なお、基準地域メッシュは「1辺が約1kmの正方形」、1/2地域メッシュは「1辺が約500mの正方形」、1/4地域メッシュは「1辺が約250mの正方形」と言われますが、正確な面積はメッシュの位置によって違います。このことについては統計局のこの資料の15ページに説明があり、16ページには各都道府県庁所在地の基準地域メッシュの面積が掲載されています。メッシュの人口密度を算出する際には注意が必要なのです。

18日(金)
・熊野外国人観光客交通対策推進協議会の第3回幹事会が開催され、基礎調査結果の報告、「共通整備ガイド」のポイント等に関する協議が行われました。アンケート調査等の基礎調査結果が出そろい、外国人観光客のお困りごとを踏まえた上で、個別具体的な改善案を検討できる段階となってきたわけですが、これからは改善の理想像と、実情(費用分担、更新作業、スペース、等々)との間のギャップに直面する場面が多くなるものと思われます。理想像に一歩でも二歩でも近づけるように、関係者が「オール熊野」で知恵を絞っていく必要があります。

17日(木)
・「熊野古道・高野参詣道 旅のハンドブック」という、世界遺産・紀伊半島の霊場と参詣道を歩く際に便利な資料があり、非常に良く作り込まれていると評判です。印刷された冊子をインターネットから取り寄せることも可能です。

16日(水)
・10月の28土、29日に東洋大学で「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム 2017」があります。

15日(火)
・ソウルの路線バスに慰安婦像が設置されるとのニュースがありました。平成27年12月28日に日韓の政府間で交わされた、慰安婦問題を最終かつ不可逆的に解決するための合意とは一体何だったのでしょうか。政府間の約束を守らないその姿勢は、島根・広島・四国上空にミサイルを撃つ構えの敵国よりもタチが悪いとも言えます。

14日(月)
・仕事をしたいのですが、大学に来てタイムカードを押そうとしたら「※現在特休が申請されています。」の表示が出ました。本学は一斉休業中なのです。新しいノートパソコンの設定作業をして早々に帰ることにしました。

13日(日)
・帰省しました。実家の近くにこのような三重・奈良県境があります。左の地図を拡大したものが右の地図です。このギリギリつながっている感が面白く、何度も現地を見に行ったものです。
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12日(土)
・庭の手入れをしました。

11日(金)
・休みました。

10日(木)
・今朝の読売新聞に、3大学誘致を核とした和歌山市のコンパクトシティ政策が好事例として大々的に取り上げられていました。和歌山市の従来の中心市街地活性化政策は、残念ながら日本経済新聞に失敗事例として取り上げられたほどでしたが、現在では国やマスコミからの扱いが180度転換したように感じます。今朝の記事ではLRT新設に関する市長の強い意思が紹介されていました。数十億円の整備費と年間2億円の経費を見込み、路線バスやタクシーとの調整も必要となるが、それでもLRTを実現したいとのこと。BRTではなくLRTと明言されています。市長がここまで熱心にお考えであるならば、法定協議会である和歌山市公共交通政策推進協議会としてもきちんと議論を重ねていく必要があります。ちなみにLRTの需要予測は平成27年度に近畿圏パーソントリップ調査のマスターファイルを活用して辻本研究室が実施したものです。
・お盆休み前の最後の平日です。和歌山大学は8月14日から18日が一斉休業のため、形式上は8月11日から20日までの10連休になります。もちろんそのように悠長に休んでいる暇などありません。

9日(水)
・運輸局系の地域公共交通網形成計画と整備局系の都市・地域総合交通戦略をセットで策定している自治体がいくつかあります。近畿地方では兵庫県神戸市、姫路市のみですが、近隣では三重県名張市、四日市市、岐阜県岐阜市、多治見市、愛知県豊橋市、豊田市、岡崎市、東海市、福井県福井市など。補助金面での利点があり、公共交通網の維持・確保に加えて、交通全般の基盤整備も進めたい場合に有用な手法のようです。和歌山市でもアリな手法のように感じました。

8日(火)
・ドクターコース生から査読論文掲載可の嬉しい報告がありました。

7日(月)
・朝4時前に和歌山市に暴風警報が発令され、その後大雨警報も出て、本日1〜5時間目の定期テストは9日に延期となりました。画像は和歌山県北部への上陸時の様子です。テストの延期で急に時間ができたので、10月7日〜8日の日本交通学会の運営マニュアルを作成することにしました。

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6日(日)
・広島原爆忌です。毎年朝8時15分には必ず黙祷をします。広島市では8時15分になると全ての路面電車までもが動きを止め、街中が死んだように静まりかえり、1分後に様々なものがウワーッと息を吹き返すのです。

5日(土)
・休みました。

4日(金)
・日本交通学会の関西部会で、辻本ゼミ所属のドクターコース生が研究発表を行いました。日本交通学会全国大会の持ち時間が30分程度(土木計画学研究発表会なら15分程度)であるのに対して、関西部会の持ち時間はなんと1時間半もあり、その分議論も深くなります。関西部会で揉まれ、その結果を10月の全国大会に活かしてぜひ査読論文につなげて頂きたいです。

3日(木)
・大学内に学部横断型のプロジェクト「超高齢社会, Society5.0におけるQOL向上につながるモビリティの基盤統合システムの研究開発」(代表はシステム工学部中嶋教授)が立ち上がり、私も「知的なPMVを活用した都市内や観光地内モビリティシステムのあり方の可能性を議論する」観点から参画することとなりました。プロジェクトの最終目標は「モビリティシステム全体の開発,運用,評価を一つの研究センターとして行える現学部横断型の研究基盤を和歌山大学に構築すること」とされています。もしかすると5年くらい後には、人と物の移動全般を学部横断的に科学する「和歌山大学モビリティ研究センター」や「和歌山大学大学院モビリティ研究科」が設置されているかも知れません。

2日(水)
・紀州鉄道・水間鉄道・和歌山電鐵の3社連携においては、沿線の水間寺、日前神宮・國懸神宮、道成寺がいずれも恋愛成就に御利益ある寺社であることから、「恋の三寺社と寺内町めぐり」が一つの具体案となっています。水間寺は「お夏清十郎」、道成寺は「宮子姫」「道成寺物(安珍清姫)」で有名です。日前神宮・國懸神宮は1つの境内に2つの神宮が仲良く鎮座する珍しい神社です。
・昨日の会合ではストーリー性が重要との意見もありました。3つの鉄道路線の沿線で、淡い恋の物語がパラレル(並列的)に展開し、それらが次第に交錯してゆく、といったストーリーの映画を作れないでしょうか。紀州鉄道沿線のヒロイン・都が、夕陽の美しい煙樹ヶ浜で、和歌山市に住む紀州徳川家の跡取り息子に見初められて現代のシンデレラになってゆくとか、都の日高高校時代の元カレには清姫のような粘着質の傾向があって事件を起こしてしまうとか、日前宮能舞台で能「道成寺」が舞われ、それを鑑賞にきた水間鉄道沿線のヒロイン・千夏が能舞台の鬼瓦にハートマークがある(実際あります)のを見つけて感慨にふけっていたところ、舞台に上がったワキの僧の顔をふと見ればそれは昔別れ別れになった清隆だった等、展開は色々と考えられます。要所要所ではもちろん紀州鉄道・水間鉄道・和歌山電鐵が効果的に登場します。

1日(火)
・和歌山大学経済学部にて「紀州鉄道・水間鉄道・和歌山電鐵の3社連携による沿線活性化プロジェクト」の会合が行われました。学部生・院生の調査分析と柔軟な提案をもとに、今後の取組方針等に関する意見が交換されました。学生の発想力には目を見張るものがあり、水間鉄道石才駅を同線の2つ目のゲートウェーと位置づけ、同駅とJR阪和線和泉橋本駅間(約900m)を魅力ある店や観光資源やアートでつないであたかも一つの駅のようにしていくという提案等は、すぐに事業化がなされそうです。