研究日記(H28.4)

30日(土)
・「交通まちづくり調査研究」で1回目の現地調査を行いました。この調査を踏まえて6月にはさらに詳しい調査を行います。

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29日(金)
・ゴールデンウィークが始まりました。

28日(木)
・午前中は橋本市コミュニティバス再編に向けた試走会に参加しました。その後急いで大学へ戻り教授会に出席しました。

27日(水)
・学部新入生の相手をした後は、ドクターコース生が某学会に出す論文を添削しています。彼にとって初めての査読論文となればいいな。
・学部新入生対象の「プログラム概説」で教育・研究内容を15分程度話してきました。自分の教育・研究内容をコンパクトに整理して説明する機会はこれまで無かったので、たった15分のパワーポイント資料の作り込みにああでもないこうでもないと丸1日かかってしまいました。このあたりからも「大学の先生ってみんな天才なんでしょう?」「違います」が見えてくるかと思います。

26日(火)
・4年生のゼミナールで「大学の先生ってみんな天才なんでしょう?」との発言があり、「違います」と返しました。確かに天才的に頭がキレる人はいますが、私のように学生時代に一部の先生から(酒の席でですが)「院に進むんだって?誰も期待してないぞ!」とまで言われながらも、指導者に恵まれたおかげで運良くアカデミックポストをつかんだ者もいます。

25日(月)
・引き続き「井筒」「藤戸」を稽古中です。静かな井筒をしんみりと舞った後に、泣き叫んでつっかかるような場面すらある劇的な藤戸を謡うには、気持ちの上手な転換が必要です。

24日(日)
・国交省「鉄道輸送統計年報」(平成26年度)と国交省鉄道局監修「数字でみる鉄道2015年版」より、平成26年度の列車1億走行キロあたりの死傷者数を計算したところ、5.4人となりました。平成25年度は5.6人でした。

23日(土)
・国交省「自動車燃料消費量調査」(平成26年度)と警察庁「平成27年における交通事故の発生状況」より、平成26年の自動車1億走行キロあたりの死傷者数を計算したところ、91.9人となりました。平成19年が137.3人、平成22年が120.8人だったので、近年大きく減ってきていると言えそうです。なお本来ならば暦年の「自動車燃料消費量調査」を用いるべきですが、結果は大差ないかと思います。
・交通安全関係では内閣府の共生社会政策にも交通安全対策に関する調査という分野があります。

22日(金)
・来週の水曜日に学部新入生対象の「プログラム概説」という授業があり、その中で研究・教育内容を10分間で紹介します。地域公共政策・公益事業プログラムのうち、交通システムに関連する分野では何を学べるのか?を10分間で学部新入生に伝えるのは簡単ではありません。

21日(木)
・某自治体の交通政策担当より、某鉄道路線沿線の人口や高齢者人口、高齢者の代表交通手段分担率を知りたいのだがとの依頼がありました。沿線人口は手持ちのメッシュデータ等を用いてGISソフトウェアで算出し、分担率は公開されている近畿圏パーソントリップ調査の結果から算出しました。
・橋本市より、コミュニティバスの運行ルート見直しに関する試走会の開催案内が届きました。試走会は28日木曜日に実施され、東、中、西、北の4ルートすべてが対象となっています。地域住民、利用者と橋本市生活交通ネットワーク協議会の委員等が一緒に乗り込み、意見を出し合い、運行ルート見直しにつなげることとなります。

20日(水)
和歌山大学産学連携・研究支援センターの「各種公募」にさまざまな助成金などの情報が載っています。防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」も掲載されていますが、「大学として推奨していません」の注意書きがあります。国を守ることは、家族や子どもを守ることにダイレクトに通じています。そのような重要な技術開発だからこそ他国に任せるよりも自国でしっかりやったほうがいいと思うのですが。かつてアルキメデスは、科学者として故郷シラクサの防衛戦に協力し、ローマ軍の侵攻を3年間食い止めました。
ITSジャパンより論文募集の案内がありました。「ITSに関連する基礎理論・技術と応用に関する幅広いさまざまな分野」が対象で、交通政策、交通経済、交通計画、都市計画なども投稿分野に挙げられています。

19日(火)
IBSフェローシップが募集中です。今年度は「米国におけるコンプリート・ストリートに関する取り組みの実態と課題」「フィリピンのマニラ大都市圏における道路・鉄道整備・計画の展開」がテーマです。学歴職歴問わず。原則海外生活経験者。
三井住友海上福祉財団が募集中です。交通事故又は各種災害の防止(交通環境、車両工学、被害軽減、安全教育、被害者に対する医療など)と、高齢者福祉の2分野が対象です。院生可。同時に「三井住友海上福祉財団賞」の募集も行われています。いずれも6月末が締め切りです。
・個人の調査研究プロジェクトに対する奨学金制度「安倍フェローシップ」が募集中です。成長と持続的な発展、過疎化と都市化といったテーマが対象ですが、申請資格に「博士号 (Ph.D.)もしくは当該分野での最高学位、または専門分野での同等の経験を有する者」とあるので院生の応募は難しそうです。

18日(月)
・熊本の地震で、「屋内恐れ車中泊…想定外の駐車場不足」(毎日新聞)。内閣府の最新の「避難所運営ガイドライン」(H28.4公表)には、避難所までの移動手段に関連することとして「車避難者へエコノミークラス症候群防止の周知を実施する」が盛り込まれているのみであり、車中泊や避難所の駐車場問題も含め盲点となっています。震災時の車での避難は緊急車両の妨げともなるなど、問題も多々ありますので、避難時の車利用のルール作りが是非必要です。具体的にはガイドライン4ページ、平時から実施する業務の2.避難所の指定の対策項目1「災害想定を考慮し避難所を確保する」に「1−7.指定された避難所への避難方法について事前に周知する」を盛り込むことが考えられます。

17日(日)
・午前中は暴風警報、午後は快晴という日でした。
・1970年代から最近までの北極・南極の海氷の面積などを比較できるサイトがあります(米国National Snow & Ice Data Center)。たとえば1985年と2015年を比較するとこの画像のような結果が出てきます。北極は8月、南極は2月の様子です。北極の海氷面積は明らかに減少していますが、南極の海氷の面積は増えているように見えます。
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16日(土)
・交通エコロジー・モビリティ財団が「ECOMO交通バリアフリー研究助成」を募集中です(5/13消印有効)。交通バリアフリーに関わる先進的な調査研究や技術の研究開発が対象で、大学院生・研究生部門もあります。

15日(金)
・昨夜から熊本市周辺で大きな地震が立て続けに発生しています。熊本は中央構造線の西端に近く、万が一地震が阿蘇、大分と同線に沿って連鎖するようであれば四国北部や和歌山県紀北も要注意です。慶長年間には伊予、豊後、伏見と大地震が中央構造線沿いに連鎖したことがあります。

14日(木)
・13時10分の企画委員会を皮切りに、教授会、研究科会議、企画委員会その2、予算施設委員会と19時頃まで会議が連続する日となりました。教授会で配布された虹色ダイバーシティ発行の「職場におけるLGBT対応ワークブック」に、「○○君」の言い換え言葉として「○○さん」が提示されていました。ついつい学生を「○○君」と呼んでしまうのですが、気をつけたいです。

13日(水)
・4月2日に実施した貴志川線沿線調査の写真を整理していて、改めて竈山神社境内の景観の素晴らしさを認識しました。紀州青石(緑色片岩)を乱張りした参道が、お社の屋根の青銅色、焦茶色の壁、白い玉石、木々の緑とよく調和しています。駅から約900mとやや不便な位置にありますが、ぜひ参拝して頂きたい神社です。
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12日(火)
・今年度のゼミナールが始まりました。初回なので自己紹介、輪読文献案の提示、発表日程の調整などを行いました。火曜日は1時間目から4時間目まですべてゼミナールとなっており、一番しんどい曜日です。

11日(月)
・本日より「交通システム論」「交通まちづくり調査研究」が始まります。交通システム論は昨年度に引き続き一般的な講義形式45分+アクティブラーニング45分の時間配分にします。
・月曜日のアフターファイブは観世流小林慶三師能舞台にて稽古をしています。本日より仕舞「井筒」、謡曲「藤戸」の稽古が始まりました。

10日(日)
・東京都道路整備保全公社が「路上駐車対策や駐車場に関する研究テーマ」を公募しています。パーク・アンド・ライドやカーシェアリングに関する研究なども対象となります。

9日(土)
・日本自動車工業会の「2015年度乗用車市場動向調査」で、非車保有の10-20歳代の社会人のうち車購入の意向のない人が59%との結果が出ました。車を買いたくない理由は「買わなくても生活できる」「今まで以上にお金がかかる」「車以外に使いたい」で、自工会は「車については利便性向上のメリットを認識している一方で経済的負担感によるデメリットも強く感じている」と分析しています。和歌山大学のある和歌山市では、2014年の自動車保有台数が23万5155台となっており、対2000年で約4%増加しています。内訳を見ると普通乗用車が同約13%減少する一方、軽乗用車は同2倍以上に増えています。2014年の和歌山市の人口1000人あたりの自動車保有台数は645.5台で、全国の人口1000人あたり自動車保有台数(592台)を上回っていますが、こういった状況を今後どう変えていくべきなのか、そのための施策メニューは何なのかを、若者の自動車離れも念頭に置きながら議論して、「和歌山市地域公共交通網形成計画(仮称)」に落とし込んでいく必要があります。(※和歌山市関連のデータの出典は、自動車検査登録協力会「市区町村別自動車保有車両数」各年版、全国軽自動車協会連合会「市区町村別軽自動車車両数」各年版および矢野光太郎記念会編(2015)『日本国勢図会2015/16』)
・警察庁が、自動運転の車を公道で実験走行させる際のガイドライン案を発表しました(その概要版はこちら)。公道実証実験を行うための条件として、保安基準に適合した車両の使用、運転者が運転席に乗車し緊急時には安全確保のための必要な操作を実施、道路交通法などの関係法令の遵守、が挙げられています。ガイドラインはこの夏に発表されるようですが、これにより自動運転の技術開発が飛躍的に進むことを期待しています。

8日(金)
・「貸し切りバス、高機能路線に活路 食堂付きや広め座席」(本日付日本経済新聞電子版)。福祉、観光(インバウンド対応等)等の観点から、今後はバス車両に限らずバス停、歩道といった交通施設全般において高機能化が大きなテーマになるのではないでしょうか。

7日(木)
・本日は春の嵐で早朝より暴風警報発令となり、学部生や大学院生向けのガイダンスがすべて中止となってしまいました。満開だった桜もほとんど散ってしまったようです。
研究室のサイトを更新しました。
・国土交通省中部運輸局より、「地域公共交通の住民参画型会議の運営のあり方に関する調査」報告書公表のお知らせを頂きました。私も現在いくつかの市町で地域公共交通会議に関わっているので、参考にさせていただきます。

6日(水)
・あと1週間で今年度のゼミナールが始まります。今年度のメンバーは博士後期課程3年の2名を筆頭に、D生4名、M生5名、学部生21名の計30名です。

5日(火)
・和歌山市民会館で入学式が挙行され、学部学生委員長として運営に参加しました。式典後は参加者の大半が貸切バス20数台で大学へ大移動。バスの優れた機動力を見せて頂きました。明日は新入生ガイダンスに出席します。

4日(月)
・某市町から福祉有償運送関係の問い合わせがありました。これまで和歌山県下では福祉有償運送運営協議会の設置が非常に立ち後れてきたのですが、ようやく前向きな動きが出てきました。和歌山県福祉保健部長寿社会課高齢者生活支援室に「和歌山県福祉有償運送ホームページ」が設けられたり、「外出困難高齢者等支援事業」という福祉有償運送事業者向けの補助制度ができるなど、県の取り組みも進んできています。

3日(日)
・観世流小林慶三師の「観諷会」に参加しました。素謡「雲林院」のワキを務めたのち、仕舞「善知鳥」を舞いました。

2日(土)
・和歌山電鐵貴志川線10周年記念式典に出席しました。席がニタマのすぐ後ろで、何度も「誰かニャー」と見つめられてしまいました。
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・記念式典の前後の時間を使って、貴志川線の全駅と周辺地域を訪れ、現状を記録しました。全駅訪問は存廃問題が持ち上がった平成16年以来となります。この10年間の沿線の変化等を、分担執筆中の『大学的和歌山ガイド−こだわりの歩き方』(昭和堂)に盛り込む予定です。

4月1日(金)
・今年度から研究日記を書くことにしました。昨年度まで受託研究を年に数件担当し、その処理に追われる状況が続いてきました。今年度は受託を0〜1件程度にとどめる予定です。